効率的学習とおこづかいの罠。学習意欲をいかに内側に持って行くか

2015年10月10日土曜日

エッセイ 読書

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おはこんばんちわ、しのジャッキー(@shinojackie)です。

失敗とチャレンジ、シリーズ連載の3回目です。

しのジャッキーの自燃ブログ: 意欲の分類は、おもわず3度見しちゃうくらい興味深い
第二回はこちら


「外発的動機」と「内発的動機」

前回は、学習意欲の二要因モデルを紹介しました。
今回はどんな風にモチベーションをコントロールするか
というトピックにチャレンジしてみようと思います。



内容の重要性(大)

充実志向
(学習自体が楽しい)
訓練志向
(知力を鍛えるため
実用志向
(仕事や生活に生かす)
内容の重要性(小)
関係志向
(他者につられて)
自尊志向
(プライドや競争心から)
報酬志向
(報酬を得る手段として)
功利性軽視
<========>
功利性重視
学ぶ意欲の要因モデル

この6種類の動機は大きく
「外発的動機」と「内発的動機」の2つに分けることが出来ます。
右下(報酬志向)に行くほど、学習動機が自分の外にあるので「外発的」
左上(充実志向)に行くほど、自分の内側に意欲があるので「内発的」
と、そういう分け方です。

外発的動機は手軽だけど。。。

市川先生は、「内発的」である方が良いと思うけど
特に小さい子供などは、最初は「外」から動機が与えられることも
当然あるわな、とおっしゃいます。

ただ、「xxできたら、xxをあげる」
といったような方法で意欲を出させること、
つまり外発的な動機をわざわざ刺激する手法は、
いかがなものかとおっしゃいます。

たしかにこれ、手軽ですし
非常に横行している手法ですよね。

でも、こればっかやってると
「なにももらえないなら。やらない」
という思考になっちゃうことは否めないですね。

例えば勉強するとお小遣いがもらえる、
って図式では、勉強するようになっても報酬志向に
縛り付けられる感じがします。

しかし、そうじゃないようにするのって。。。
どうすればいいんでしょう?

いかに内発的にするか?

内発的動機って、自然と楽しくなっていくようなもので
偶発的なもので、運なんじゃね?っと思ってしまいます。

市川先生はいいます。

例えば、「向上心」に持っていく。
問題演習ならタイムを計ってみる。
(公文式ってこれに近い要素あるのかも)
という例を挙げておられました。

タイムをはかり、前よりも早く解けるようになる。
何か、工夫をしてみたら、もっと早くなった。
こういう学び方を工夫をして行くことが目に見えることで
「内発」にもっていくこともできる、と例を挙げていました。

なるほど 
たしかに、これだと「内発」に意欲が向かう可能性は高まりそうですね。

答えのない時代



ここで、思い出しました。

北村薫さん、という作家の方が「学ぶ」ということについてこんなことを言っていました。とても印象的だったので、ちょっと長いですが引用します。

”どういう風にやったら”というのを、”自分で”考える。それが勉強なんですよね。少なくとも、我々の頃はそうだった。〜中略〜今は、予備校なんかにいくと、練りに練った”やり方”を教えてくれるわけでしょう。
本来大切なのは、”いかにそれを考えられる”かです。”やり方”を、自分で見つけることです。それが出来るかどうかが、問題な訳でしょう。世の中親切になっているんでしょうけれど、そういう一番肝心なところまで、人から聞けてしまうのって、どうなんだろうと思いますね。 p.99 北村薫の創作表現講義より

効率的・効果的な方法を一直線に教えてしまうことの危うさ。
いろんなところで言われていることですが

高度経済社会の頃は、決まった正解に以下に早く正確にたどり着けるかが大切でしたが、いまは、世界が見えない時代に、そのときどきの状況に合わせて、以下に問題を解決して行くかが課題になってきました。

"Do the things right." から
"Do the right things." に変わった

とは、ビジネススクールの
問題発見思考という科目で一番先にでてきた言葉でした。

そもそも「何が問題・課題なのか?」を決定することが
重要になってきた、ということですね。

社会にでると答えの無い課題ばかり
そのときに、やり方さえ教えてくれば。
がんばります。というのではやって行けなくなってしまいました。

いかに考えるか。
自分の中に、効率的に知識を詰め込むのではなく
やり方、手法を経験として積み重ねて行くこと

そのとき、試行錯誤して、ときには失敗する
それでも、チャレンジして、少しずつ改善する
そういう経験を積み重ねて行くこと
これが大事なんだろうな、と思いました。

次回は、内発的動機
についてもうちょっと考えてみようと思います。


学ぶ意欲の二要因モデルについて
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それでは、また、お会いしましょう。
しのジャッキー(@shinojackie)でした。

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