「下」の立場からリーダーシップを発揮することに切り込んだ一冊

2015年8月12日水曜日

読書

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おはこんばんちわ、しのジャッキー(@shinojackie)です。


構造構成主義という考え方をご存知ですか?

東日本大震災の復興支援団体として最大規模の
ふんばろう東日本支援プロジェクト」そのリーダー
西條剛央さん、という早稲田のMBAコースの先生で
心理学、哲学者の方でした。

ふんばろう東日本支援プロジェクト





震災に学ぶリーダーシップ

その方が、ボランティア経験もない中で
「ふんばろう」を成功に導いた根底にあった考え方
西條さんが独自に体系化させた構造構成主義でした。

「ふんばろう」の活動自体については、
以下の書籍に非常に詳しく時系列に書かれていて
日々変わる状況に合わせて、以下にリーダーが決断をしてくのか
リーダーシップについて考えさせられる一冊です。

人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか

西條 剛央 ダイヤモンド社 2012-02-17
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同様に、震災から、リーダーシップについて学べる本として
紙つなげ! 」があります。

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

佐々 涼子 早川書房 2014-06-20
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こちらについては、以前に、ブログで紹介させていただきましたが
日本製紙の被災地、石巻工場の奇跡の復興について
著者が取材を通して書き上げたノンフィクションです。

しのジャッキーの自燃ブログ: ”紙つなげ!”美談に終わらない震災ノンフィクションに学ぶリーダーシップ、日本製紙石巻工場の復興


構造構成主義ってなんじゃそりゃ?

西條氏が、ふんばろうの経験も踏まえて
構造構成主義をチームで活用していくために
書かれた書籍、「チームの力」を読みました。

チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書)

西條 剛央 筑摩書房 2015-05-08
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人を助けるすんごい仕組み」の中でもしきりに出てきた言葉がよみがえります。
構造構成主義の根底をなす考え方「方法の原理」と「価値の原理」です。

方法の原理:方法の有効性は”状況”と”目的”によって変わる
(チームの力、p.29より)

価値の原理:すべての価値は目的や関心、欲望といったものに応じて(相関して)経ち現れる(チームの力、p.61より)

どちらも、それだけ読むと、「まぁ、そうだね。当たり前だね」
という内容が多いですし、基本的には「ふんばろう」の事例が多いので
人を助けるすんごい仕組み」を読了済みの方は、
繰り返しが多いなぁ、と思うかもしれません。

リーダーでない立場でチームの力を発揮するには?

が、個人的に、以下に切り込んでいたのが好感が持てました。

失敗回避バイアスの強いリーダーのもとで、「下」から新しいアイデアを通すにはどうすればよいのだろうか? (チームの力、p.128より)

リーダーシップが発揮できる立場で、あとは勇気だけ、
といって方法論を論じる本って多いですよね?
もしくは、そういう立場でないとしても、リーダーシップは発揮できる。的な
あとはできないのは、あなたに原因がある、って感じの論調。
読んでいて疲れてしまう。という本のことです。

チームの力」の中では、ざっくり以下の様なスタンスをとっていました。

まずリーダーの”関心”を同定する必要がある。
失敗しないことに関心があるのに、
成功のための方法をアピールしても響かない

これはまさに、「価値の原理」ですね。

価値の原理:すべての価値は目的や関心、欲望といったものに応じて(相関して)経ち現れる(チームの力、p.61より)
以前、異業種交流会「ゆるたま」で、上司の評価を挙げるにはどうすればよいか?というお話を、人事・人材開発関係のコンサルティングをお仕事にされている方から聞いたことがあrます。

第16回 全員アウトプット&パフォーマンスと報酬の関係性@新橋ばるーん




決して大切なのは処世術ではないのだ

彼が言うには、上司が部下を(それだに限らないが)評価する場合に
以下の5つの評価心理があるそうだ。

  • ハロー:学歴、ビジュアル、視覚が影響を与えてしまう
  • 寛大化傾向:気遣いや反発を怖れてよく評価しちゃう
  • 中央化傾向:嫌われたくないし。とりあえず、Bみたいな。
  • 対比誤差:自分と異なるタイプに対しての評価(良くなったり悪くなったり)
  • 論理誤差:ある特定の要因で、他の関係ないことが影響を受ける



この中でも、特に影響力が大きいのが中央化傾向。
A, B, Cで評価するとなったとして、ちょっとダメでも
Cはつけずらいし、Bにしてしまう、という傾向だ。

このあと、会場からのQ&Aなどからでて来て
個人的、とても「なるほど」と膝を打ったのがこれだ

飲み会の席というのは、上司の評価心理の基準を探る場だ

「そ・そうだったのかぁ!」

そんなこと、一度も考えたことなかった。
これって、単に給料を上げたい、早く昇進したい、
といった処世術以上の意味があるなと思ったのです。

というのも、今回「チームの力」を読んで
立場的にリーダーシップが取りづらかったとしても
周りの人たちの目的や関心、欲望をよく観察する。

その上で「方法の原理」に基づいて

「私は、状況と目的に照らしたら、この方法のほうがより有効と考えたため提案させていただいたのですが、さらに有効な方法があれば、是非お聞かせいただけませんか?」といえば、建設的な議論に戻すことも可能になる。(チームの力、p.131より)

というように、状況と目的に沿った提案を
相手の価値観に寄り添ったコミュニケーションによって伝えて行くこと
普遍のリーダーシップの原理なんだなと腹に落ちたのでした。

チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書)

西條 剛央 筑摩書房 2015-05-08
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しのジャッキー(@shinojackie)でした。

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