妻の本棚つまみ食いVol.2: スロイハイツの神様〜誤解を恐れずに言えば、作家とは社会不適合者の別名である。〜

2014年4月12日土曜日

ストーリーから学ぶ 読書

t f B! P L
2013年はビジネス書ばかり読んでいたので
2014年は小説も読んで情緒面も育てようと思って
小説を良く読む妻の本棚つまみ食い企画(?)の第二弾

想像以上に学びが多くてびっくりしています。

第一弾はこれでした
しのジャッキーの雑記~ブログ: 人の立場に立って考えるを学ぶ@レインツリーの国/有川浩

さて、第二弾はこちら

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

辻村 深月 講談社 2010-01-15
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スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

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あらすじ


人気作家チヨダ・コーキが、ファンによる殺人ゲームにより筆を折ってから10年。「コーキの天使ちゃん」によって復活を遂げたチヨダ・コーキは、新人脚本家・赤羽環に誘われ、彼女がオーナーを務める「スロウ・ハイツ」に入居し、クリエーターを志す狩野たちと暮らし始める。加々美莉々亜の存在から変革を始めていたスロウハイツでの生活は、ある日、一通の郵便が環の手に渡ったことで大きく揺れ始める。
引用元:スロウハイツの神様 - Wikipedia

小説家、脚本家、漫画家などクリエイターが集まり生活するスロウハイツで
成功している人と、それを目指す人たちのストーリーで、
できてない側の人たちの描写が趣味としてのギターを選んだ自分にはグッときた。
そんな感じの上巻。

ちなみに語り手がころころ変わるし、時間行ったり来たりして
ちょっと読みにくい文章だなー、分かりにくいなー。という印象だったのだが

下巻は、これまで張られてきた伏線が一気に収束していって
すごいスピード感で読まずにはいられないという感じ。
本来はこの人間ドラマの収束を楽しむストーリー。
上巻の様な感じのところに共感するのは少数派かもなと思いつつ、
やっぱり小説って良いなと思ったのでした

ストーリーから学ぶことが多すぎる!

この本を読んでから、ブログに書くのに実は数ヶ月空いてしまった。
というのも以下の一連の投稿にこの小説でぐっときたところがコラボってしまったからだ

鉄コン筋クリートで人生の今を切り取る〜強くなり方〜




上記のエントリーでは、強くなり方という観点で
鉄コン筋クリートを鋭く切り取ったホンタナの田中氏のコメントに
グッとくるとともに、スロウハイツの神様の以下が突き刺さった

上巻p.200
どうして洩れてくる言葉は、「チクショウ」なのか。
「単純に、悔しいんだ」
ややあって、ぽつりとした声でエンヤが言った。
「やり方がわからない。同じ年でここまでできるのかって思うと、
自分のことが、なんだか」


なくてもよくね?〜あなたは人生で実現したい夢ってありますか?〜




上記の投稿はスロウハイツの神様から以下を引用して、
マズローの欲求五段階説とのコラボを考察し、
さらなる成長を目指すために今の自分に納得することを試みることができた。

上巻p.332
「脚本が、薄っぺらいんだってさ」
〜中略〜
「頭で計算しているだけの内容じゃ、誰にも何も届かないってことが、
どうしてまだ分からないんだ?って言われた〜中略〜
みんな、各々の主張があるから創作するはずなのに、
お前にはそれがないのか?って聞かれた」
〜中略〜
やがて胃の腑から絞り出すような声で、彼が言った。
「主張なんて、ねぇよ」

偉人は変人である

最後に、本文ではなく、解説を引用したい。
なんか、ホンタナの解説の解説みたいになってきましたが。
この解説がすごいのだ。

ホンタナ
サラリーマンが言語学者に本を紹介するポドキャスト
本の解説を解説するコーナーが不定期である


さて、私が、う〜ん。とうなった一節がここ
下巻p.481 西尾維新氏の解説より
断言してもいい。人間は触れてきた作品通りの人間になる。
が、そこまで人間社会に不可欠な要素であるところの「作品」
の作り手である作者、作家は果たしてどうかと言えば、これは前述の通り、
とても残念なパーソナリティーであることが多いのが実情だ。
誤解を恐れずに言えば、作家とは社会不適合者の別名である。
作品は社会に不可欠であっても、作家のほうはあいにくそうは行かない。
社会の歯車などという自虐的な言葉があるけれど、
その比喩にのかっていうなら、彼ら彼女らは、外れてしまった歯車である。
その辺りを転がるいびつな形の金属だ。
ちょっと長いのだが、実にその通りだと思う。
例えば、思春期の少年の心を捉えてやまない
ロックの名曲の多くは、ドラッグまみれの音楽である。

人は偉大なことを成し遂げた人に人格者であることを求めてしまいがちなのかもしれない
しかし実際のところは、どこかぶっ飛んだ人だからそんなことができるに違いない
そう考えると人格者なんてつまらなく思えてきた
自分とは何か違う、気に食わないないようなところがある人がいたとしても
何か、自分の中で見え方が変わってくるような気がしたのでした。

いや〜、ストーリーから学ぶのって面白いですね!

ストーリーから学ぶシリーズはほかにも
決断という修行@映画「解夏」に学ぶ
なくてもよくね?〜あなたは人生で実現したい夢ってありますか?〜
持つ者と持たざる者という傲慢〜やってきたか、やってこなかっただよな〜
鉄コン筋クリートで人生の今を切り取る〜強くなり方〜



スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

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