(読書メモ)経営の神は細部に宿る/清水勝彦

2013年10月26日土曜日

読書

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経営の神は細部に宿る/清水勝彦



<一口コメント>
基本は持論というよりも
「小さいものにこだわる」という観点を軸に
豊富な引用で書にした、まとめ本という感じ
故に、格言の見本市的要素も大。

<これは!という引用1本>

p.108
将棋の谷川浩司氏も「礼儀やマナーに気を遣わない人間は、絶対に強くなれない。それは私の確信である。なぜなら、礼儀やマナーとは、言葉を換えれば、他人に対する想像力である。周囲に対して想像力の働かない人間が、対局において想像力を発揮できるはずがないではないか」と指摘されています(「構想力」)

★これは新鮮!礼儀やマナーをこうとらえたことはなかったな。



以下は、付箋メモ
➡付箋読書法についてはこちら「読書術〜物理編〜」

★は自分のコメント

===============
p.29
これまでの事業のルール、見方を変えてしまうような新しい技術、考え方であるからこそ、古い基準、価値観からすれば「つまらない」「小さい」「重要でない」としか写らないかもしれないのです。

p.33
顧客の声を聞くリスク(クリスチャンセン、バウワー)
自社だけでなく、顧客も「これまでの基準」からしか新しい技術や商品を評価できない結果、革新的な技術を「小さいもの」「つまらないもの」として無視し、共倒れになってしまうという例です。
例:発泡酒

★既存の顧客を取りにいくのか、新規顧客を取りに行くのかなど、シチュエーションや狙い次第な気もする。

p.41
条件が揃わないから動けないという人は、条件が見えないから動けないのではない。動かないから見えないのである(畑村洋太郎)

P.48
「シグナル(変化へのサイン)」と「ノイズ(雑音)」
どちらにしろそれを最初に感じるのは現場(アンディ・グローブ元インテルCEO)

★一律コスト削減などが横行しだすのは立派なシグナルだと思うな。

p.50
なぜ競合はそのような値引きに走っているのか、いつからそのような動きが始まっているのか、あるいはどのような顧客層をターゲットにして値引きをしているのかを考えることができれば、より的確な手が打てるかもしれません。

★営業利益を下げるもっとも手軽な手段が値引き。
 メーカーは売上至上主義なところがある。
 それは、ボリュームで仕入れのコストが削減できるから。

 「海賊とよばれた男」で、メジャーが地域戦で値引きを仕掛けて田岡商店をつぶしにかかる
 しかし、国岡商店は、先読みして、どんどん商売の場所を変えていって
 メジャーが体力を消耗するというシーンがあるが、敵も意味あって値引きをしているのだ。
 というシーンを思い出した。

p.59
「運は準備された心にのみ宿る」
Chance favours the prepared mind(パスツール)

★以前、以下の投稿で紹介した「Be prepared」を思い出します。
(セミナーメモ)「時間は物語だ」辺境生物学者の仕事術/広島大学准教授 長沼毅

p.62
多忙は怠惰の隠れみの

★忙しい忙しいといっているほど、
 忙しいことが目的となり、本質が見えないまま
 仕事をしてしまう。ということか。
 これは、厳しい。とても厳しい言葉。

p.67 戦略の定義
ある一定の目的を達成するために、ターゲット顧客を絞り込み、自社固有の強み(ユニークネス)を用いて、競争相手よりもより安いまたはより価値のある商品・サービスを提供するための将来に向けた計画

★戦略の定義というのは色々あり、多数の本の定義を集めると
 それはそれで面白いかもしれない。
 この定義はとてもマーケティング的な気がする。

p.71 小さな差別化を続ける

ホームランではなく、フォアボールやセーフティバントでもいいからつないでいけば必ず点は入るのです。
~中略~
バブルという名の「飛ぶボール」もつかえなくなり、もはや、狙ってホームランを打てる時代は終わったと考えた方がよいのだと思います。
~中略~
「小さな差別化」は、維持さえできれば、「大きな差別化」と同じくらいの意味を持つのです。「小さいか、大きいか」ではなく「差があるかどうか」「勝つことができるか」が大切なのです。本当に強いチームとは、一点差で勝つゲームが多いことを思い起こしてみてください。

★特に組織力というのは、小さな積み重ね・継続によってできあがり
 それは、そう簡単にマネできないものなんだろうな。
 日々の努力・改善。しかし、そもそものその方向性も間違った方向に積み上げていてはダメ
 そこがまた難しいところなんだろうと、思うのでした。

 p.79
失敗から学ぶためには、そもそもどのような前提をおいて戦略Aを立てたのか、それぞれの前提と現実がどのようにことなったのかを注意深く比べ、仮説を立て直す地道な作業が必要です。

★PDCAをまわすって、この前提=Planが適当で、Checkができない。が課題な気がする。

p.80
リコー副社長 
遠藤紘一氏は「What(現象)を十分観察しないうちに「Why(原因)」を急いで考えてしまうことが多いと指摘しています。
~中略~
遠藤氏は社内で「TTY」つまり「whaT Then whY(何がの跡になぜがくる)」という標語を作り、「何が起きているのかを正しく理解できていない状態では、いきなり。なぜを考えても、解決にならないことを戒めている」

★What、How、Whyの関係って、色々な人のいろいろなスローガン、標語、コンセプトがあって結構面白い。

▶︎こんな記事を書いてみました。
Why? How? What? 結局どれが大事なの?〜ものには順序や段階がある〜http://shinojackie.blogspot.com/2013/12/why-how-what.html

p.93
どんなに苦労して商品を開発しても、。それが顧客のニーズに合致していなければ何の意味もないのと同じように、経営においても、どんなに大変な思いをしているかとその効果はまた別の話です。どれほど大変であっても「必要最低限としての100%」を満たすことができなければ、その戦略も、組織も、そこで働く人々の気持ちも瓦解してしまうのです。

★そもそもがんばる方向が間違っていたら、
いくらやっても無駄なばかりか、マイナスにもなりうる。

p.108
将棋の谷川浩司氏も「礼儀やマナーに気を遣わない人間は、絶対に強くなれない。それは私の確信である。なぜなら、礼儀やマナーとは、言葉を換えれば、他人に対する想像力である。周囲に対して想像力の働かない人間が、対局において想像力を発揮できるはずがないではないか」と指摘されています(「構想力」)

★これは新鮮!礼儀やマナーをこうとらえたことはなかったな。

p.115
「小さなこと」を見逃さず、タイミングよくほめることが
「やる気のスイッチ」をいれることになるのです。

★上司がほめているつもりでも、部下はそう感じていない
 という記事を読んだことがあるな。

p.122
「やる気のスイッチ」は「小さな」感動や喜びで入る一方、「小さな」約束違反、それによる落胆によって切れてしまいます。時にはそうした落胆が、さらに「会社不信」という「マイナスのスイッチ」を入れてしまうこともあるのです。

★会社でも家庭でもいえることかもしれないですね。

p.127
責任ある立場にいるものは、小さく嫌われることを避けようとしてはいけません。

★好かれようとするだけの人は、世渡りは上手かもしれないが
 多少嫌われ者になっても、新しいことを作り出さないといけないですね。

p.128
Broken Windows理論では、「小さなこと」が結果としてより深刻な問題の引き金になることから、どんなに小さな犯罪、ルール違反に対しても対処する「Zero tolerance(斟酌無用)」の重要性を指摘します。
例:アメリカの多くの州では、中学・高校で暴力による喧嘩は、先生に見つかれば一発で停学または退学。

p.136-137
中途半端な戦略の共有が最もわるい。ちょっと考えると共有度と業績は正比例しそうなのですが、現実的には共有度が低い場合、営業マンは「わが道を行く」ために、それなりに業績を上げています。

しかし、共有度が真ん中、つまり「共有したつもりで、実は細かいところでは食い違いがあったりして本当に何をするべきか分かっていない」状態では、「わが道」も捨ててしまったが、一方で新しい戦略も十分理解できないという宙ぶらりんな状態になるのだと考えられます。手間を惜しむと、せっかくよいところまでいきながら、最悪の結果になるという良い例でしょう。

★徹底の大切さ

p.139
(危機管理で最も重要なのは)生の情報をきちんとトップに上げさせることです。危機に直面してトップに判断材料がないのが、最も危ない。ここで「生煮えの情報などもってくるな。対策をもってこい」なんて部下をどなったらおしまいです。もう情報は上がってきません(神戸製鋼所相談役(当時)熊本昌弘氏)

p.154
抽象的な「MBA用語」を振り回していると何か賢くなったような気がしてしまうものですが、戦略に命を吹き込むのは現場の具体的な情報、意見、観察なのです。

p.158
既存の経営知識で説明できる要因はたった3割

p.166
「戦略」と同じように、ビジネスの知識も、また出発点に過ぎません。もちろん、それだけで解けてしまうような簡単な問題もあるでしょうが、それは誰にでも解けるのです。あなた、あるいはあなたの会社にとって差別化にもなにもなりません。本や知識のいう「公約数」で割り切れない部分を、どれだけ地道に解きほぐせるかこそが差別化につながるのです。そして、多くの場合、そうした「割り切れない部分」の道案内は「小さなこと」なのです。

p.173 現状維持(現状バイアス)について
1942/7/13ドイツ軍101警察予備大隊によるポーランドのある村での虐殺
~中略~
歴史家クリストファー・ブローニングは「仲間からのプレッシャー、つまり自分だけが逃げるわけには行かない」という点をあげます。しかし、もし「参加したくないものは一歩前に出る」のではなく「参加するものは一歩前に出る」と命令していたら、事態はまったく別になっていたのではないでしょうか。
★選択を問うときの設定の難しさ、重要さ

p.192
自分でルーティンを作ることで、仕事に入るときの不安から開放され、また成功に不可欠な「量」「継続」を担保できる。
例:イチロー

自分にとって必要不可欠なことは、ルーティン化することで
 本当に悩むべきところにリソースを集中できる。
 だからルーティン化は重要なんだな!

p.204
「お前ら、細かいリーダーはダメで、腹の太いリーダーがいいと思っているだる。しかし、太いと粗いは違うんだぞ。細かいと細いも違うんだ」(著者コンサルタント時代のクライアントの部長さんの言葉)




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